研究課題/領域番号 |
15659347
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 基 (2004-2005) 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00272584)
岡崎 裕司 (2003) 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30241988)
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研究分担者 |
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
大西 五三男 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70311628)
泉 亮良 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (90396713)
佐藤 和強 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50302691)
山本 基 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (00272584)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | メカニカルストレス / 牽引ストレス / 横延長 / 骨形成 / 血管新生 |
研究概要 |
整形外科領域で行われている組織形成術に牽引ストレスを用いて軟部組織を形成し延長するという方法がある。本研究では延長術の手技を応用して、牽引ストレスを血管閉塞性疾患に作用させることにより血管障害の改善の可能性について検討した。そのために動物慢性虚血モデルを作成し脛骨骨片の横延長を行い、周囲組織の血管形成を定量評価した。 ビーグル成犬9頭を用い7頭を仮骨延長群とし、左脛骨に創外固定器および骨延長器を装着する手術を実施し、脛骨骨片を横延長した。残り2頭は、sham群とした。また、全頭において右脛骨を無処置のコントロール群とした。創外固定器装着手術に先立ち4週間前に両側の大腿動脈の一部を結紮し、慢性下腿虚血モデルとした。7日間を待機期間、延長期間を14日間とし、さらに28日間の骨硬質化期間を設けた。延長期間中の骨延長速度は、1回延長距離0.5mmを1日2回とした。手術より49日目に全頭を検体に供し下腿周囲筋組織の軟X線撮影を行い,筋肉に対する血管領域の割合を求めた。 コントロール肢に対する実験肢の血管密度の比は延長群では、前脛骨筋で1.42、長趾伸筋で1.27、腓腹筋で1.23、足底筋で1.24であった。これに対しSham Op群では前脛骨筋で0.91、長趾伸筋で1.11、腓腹筋で0.91、足底筋で0.81であった。延長を行うことで、コントロール肢に対しての実験肢の血管密度は延長群で優位に増加した。血管新生は細動脈・毛細血管レベルでおこりこれは牽引ストレスが直接かからない筋組織においても行われていた。 本法は物理的因子である牽引ストレスを用いて血管形成を促進する独創的な方法である。現状においては侵襲的方法であるが外部から刺激を加える方法の開発を行うことにより今後、動脈硬化性あるいは血栓性の閉塞性血管障害の改善、骨髄炎の治癒促進、治療薬剤の組織への移行促進といった応用の可能性がある。
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