研究課題
萌芽研究
破骨細胞は正常な骨リモデリングのみならず関節リウマチや骨粗鬆症などの運動器疾患における骨破壊・骨吸収においても中心的な役割を果たす細胞である。破骨細胞の特徴はきわめて生存期間が短いことであり、生体内では約2週間、in vitroでは1,2日でアポトーシスによって死滅する。このような急速はアポトーシスがどのようなメカニズムで誘導されるかは明らかではない。これまでにわれわれは、Bcl-2ファミリーのBH3-onlyメンバーに属するアポトーシス誘導分子Bimが破骨細胞のアポトーシスに重要な役割を果たしていること、その発現がユビキチン化によって調節されていることを明らかにした。本年の研究においては、このようなBimのユビキチン化が、抗アポトーシス作用を有するBcl-2との結合によって調節されている可能性についで検討した。Bimを大量に発現する細胞は細胞死を起こすが、Bcl-2と共発現させると細胞死が起こらない。またBim単独では細胞における高発現は得られないが、Bcl-2と共発現することによってBimを高発現する細胞を得ることができる。BimはBcl-2を免疫沈降すると共沈してくる。これらの事実はBimとBcl-2との結合が、Bimのタンパクの安定化に重要な役割を果たしている可能性を示唆する。
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