研究課題/領域番号 |
15659367
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
土肥 修司 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40155627)
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研究分担者 |
中川 敏幸 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00271502)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 脊髄虚血 / MAPK / ERK / milrinone / adnylate cyclase / テトラカイン / 虚血後血管反応 / 細胞内シグナル伝達 / PC12 cell / ATPsensitive K+チャネル / PLD / 局所麻酔薬 / 脊髄損傷 / 再生 / Na^+ポンプ / PC-12細胞 |
研究概要 |
脊髄損傷による四肢麻痺は、脊髄外傷や大血管手術後のみならず、稀だが麻酔中や痛みの治療後にも発生する。さまざまな予防的処置や治療にもかかわらず、一旦脊髄損傷(下肢麻痺)が生じるとそれからの快復は極めて難しい。しかしこの数年間の神経科学の進歩は、脊髄のニューロンや軸索の再生の知見も集積し、麻酔薬の神経保護効果という視点から検討した。 局所麻酔薬、テトラカインのアポトーシスに影響を観察し、テトラカインは濃度依存性にPC-12細胞のアポトーシスを誘導し、重要な細胞膜関連のシグナル誘導酵素であるphospholipaseD(PLD)が、DGやPKCの活性を介して細胞をアポトーシス阻止し、PLDの活性が細胞の再生にも影響している可能性示唆する結果を得たので、更に新しく臨床導入されたロピバカインとレボブピバカインのアポトーシスシグナル伝達分子への影響を検討した。現在までの結果として、PC12細胞をもちいてWestern blot法で検討した。 ATPsensitiveK+チャネル作動薬は、MAPKカスケードの内、主に細胞増殖刺激により活性化されるERKを賦活する。局所麻酔薬、ロピバカインとレボブピバカインのアポトーシスシグナル伝達分子PLDの活性へ影響し、またその異性体の細胞内シグナル伝達タンパクのリン酸化への影響は、局所麻酔薬によっては異なるが、その光学異性体のMAPKのリン酸化に対する影響は同じであるとの結果を得た。 臨床的視点から、大動脈遮断による脳・脊髄虚血後、その解除後の中枢神経血管の反応性を検討した。大動脈遮断後の中枢神経系微小血管は収縮状態が持続しているが、PDE阻害薬(milrinone)との活性(colforsin)によって軽減されることから、虚血回復後の微小循環障害の原因として、血管反応に細胞内機序も役割を担っていると示唆された。
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