研究課題/領域番号 |
15659435
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊集院 直邦 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70028786)
|
研究分担者 |
岸野 万伸 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (60346161)
豊澤 悟 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (30243249)
|
研究期間 (年度) |
2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
|
キーワード | 歯周組織 / 再生 / 歯根膜幹細胞 / 前駆細胞 / GTR法 / CD34 |
研究概要 |
歯周組織にはセメント質、歯槽骨、線維芽細胞に分化する能力を持った多分化能前駆細胞、すなわち歯周組織の幹細胞と考えられる細胞が存在すると言われてきたが、そのような細胞はいまだ同定されておらず、その性状に関しては不明である。また、現在、臨床的に使用されているGTR法により、歯周組織の再生が得られることが知られている。そこで、我々は、GTR法による歯周組織の再生モデルを確立させ、長管骨の骨折の治癒過程と比較することにより、歯周組織の幹細胞の同定を試みた。 ラットの骨折の治癒過程では、骨折3日後に骨折部位に炎症細胞浸潤と共に未分化間葉系細胞が多数出現し、骨折5日後に膜性骨化が、骨折1週間後には軟骨形成が起こり、2週間後には軟骨がほとんど骨に置き換わる。その際に、骨芽細胞系のマーカー遺伝子であるI型コラーゲン遺伝子発現は、腫性骨化の部位では骨膜部で認められ、内軟骨性骨化部では血管侵入や破骨細胞の吸収に伴って軟骨内に生じた結合組織部に発現していた。また、これらの結合織中に未分化間葉系細胞のマーカーでもあるCD34の弱陽性細胞が毛細血管以外の部位に認められ、これらが骨再生時に有効な幹細胞である可能性が示唆された。 一方、GTR法による歯周組織の再生モデルでは、手術後1週で新生骨が形成されるが、軟骨形成は見られず、長管骨の再生過程とは異なることが示唆されたが、幹細胞の同定は免疾染色で検討中である。以上、GTR法による歯周組織の再生モデルは歯周組織再生における幹細胞研究に有用な実験モデルであり、歯周組織を再生する幹細胞は骨再生のものとは異なる可能性が推測された。
|