研究概要 |
HVJ-リポソーム法を用いたおとり遺伝子導入による血管新生抑制効果の検討 培養口腔扁平上皮癌細胞にHVJ-リポソーム法を用いて,転写因子Sp1あるいはAP-1やHIF-1を標的としたおとり遺伝子を導入するために,培養温度や時間,ウイルス力価などの至適条件を検索し,複数の培養癌細胞にいずれも100%の遺伝子導入を可能とする導入条件を決定した. さらに,おとり遺伝子導入により複数の血管新生因子(VEGF, TGFβ1,Tissue factor, HGF)の産生をNorthen blotやRT-PCRにて解析し,それらを同時に抑制することが可能であることを解明し,血管新生抑制による新規の遺伝子治療法として応用できる事を明らかにした.また,本法を用いると基質破壊酵素(uPA)の産生も抑制することが可能で,その結果,腫瘍の血管新生のみならず癌細胞の浸潤も抑制できることを証明した.さらに,培養癌細胞の増殖活性や浸潤活性を抑制していることを確認し,本法が非常に有効な癌遺伝子治療となりうることを証明した.
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