研究課題/領域番号 |
15659459
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 誠 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80091768)
|
研究分担者 |
菊池 雅彦 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (60195211)
服部 佳功 東北大学, 病院・講師 (40238035)
佐藤 智昭 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50312591)
伊藤 進太郎 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00361105)
土谷 昌広 東北大学, 病院・助手 (60372322)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | VAS / 比色検定法 / MRI / 空間認知 / PET / CCI / 現在歯数 |
研究概要 |
ヒトの食行動には、栄養素の摂取という最も重要な目的のほかに、食物をおいしく味わうことによって心理的な充足を得るという側面もあると考えられる。咬合接触状態など口腔内状況は咀嚼機能に大きく影響を及ぼすことはよく知られているが、心理的変化については十分には明らかにされていない。そこで今年度は、口腔内状況の変化による、1)主観的な「食べやすさ」、2)咀嚼能率、3)脳活動への影響、およびこれらの関連性について検討した。 正常若年有歯顎者4名を被験者とし、オクルーザルスプリント装着前後における上記パラメータを比較した。「食べやすさ」はVisual Analog Scale(VAS,0-100)にて評価し、咀嚼能率はグミゼリー咀嚼時のグルコース溶出量を比色定量法にて計測した。また、今回は脳活動の測定にfunctional magnetic resonance imagingを使用した。脳活動の分析には脳画像解析用ソフト(Statistical Parametric Mapping 99;SPM99)を使用した。被験者には、研究の内容および安全性について十分説明し、研究参加の同意を得た。スプリント装着前後において、VAS値は0から54.8±21.9と上昇したが、グルコース溶出量は328.8±71.6mg/dlから298.9±27.1mg/dlと減少傾向にあったものの有意差はなかった。また、SPM99による分析から、スプリント装着後には両側楔前部の活動が低下していた。これらの結果から以下の結論が得られた。1)少なくともグミゼリーの咀嚼においては、咀嚼の巧緻性は口腔内状況に影響されず、主観的評価とも関連しない。2)楔前部は空間認識に関与するとの報告があり、本研究におけるこの領域の活動低下は、スプリントによる様々な感覚の変化が口腔内の空間認知能力を低下させたことを示している可能性がある。
|