研究課題/領域番号 |
15659519
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 宮崎大学 (2004) 宮崎大学(医学部) (2003) |
研究代表者 |
中富 利香 宮崎大学, 医学部, 助手 (20347066)
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研究分担者 |
高田 哲 神戸大学, 医学部, 教授 (10216658)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 父親の役割 / 極低出生体重児 / 家族 / 夫婦のサブシステム / 拡大家族 |
研究概要 |
本研究の目的は、正常新生児の家族と出発点が異なる極低出生体重児の家族において、父親がどのような役割を果たし家族を形成していくのかを早期育児期において検討することである。前回の予備調査で作成した質問紙票に沿って極低出生体重児を第1子として出産した核家族の父親、および母親16組に子どもの退院3〜4ヶ月目の段階で半構造的面接を実施し質的分析を行った。家族機能尺度による評価はプレテストの段階で回答が困難であったため実施せず質的分析のみ行い、結果として以下のことが示唆された。 1.極低出生体重児の父親は家族システム内における母子、父子、夫婦のサブシステムのそれぞれとの相互関係から特に夫婦のサブシステムを強化することを中心にそれぞれのサブシステムの関係性を促進していた。父親の妻に対する身体的、精神的配慮、および妻から夫への配慮の双方向から父親は自身の家庭内における役割行動を変化させ決定させていっていた。夫婦のサブシステムを中心とする家族関係の構築は極低出生体重児の親にとって、子どもの入院期間が正常新生児の夫婦が親となる準備期間である妊娠後期と合致し、夫婦関係を再構築する機会となっていたことの結果であることが示唆された。 2.祖父母などの拡大家族からの言動や援助により極低出生体重児の父親は役割行動を変化、決定し妻も含めた家族内の役割を調整していた。子どもの入院期間中から拡大家族との関りを持ち続け、社会資源としての活用の意味も含め関係性を強めていた。このことは母子関係と夫婦関係を促進する結果となり得たが、父子関係を促進させることの要因にはなり得なかった。 3.退院後あらたに子どもについて知った父親は、入院中に築いた子どもとの関係性を父子間、夫婦間を通して再構築し、関係性を促進していた。 以上のことから極低出生体重児の父親は夫婦間、拡大家族との関係から家族を再編成し、病院への依存から自立した家族へと発展させていた。
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