研究課題
若手研究(A)
パーキンソン病は黒質ドーパミン神経細胞の欠落を特徴とする神経変性疾患である。常染色体劣性若年性パーキンソン病(AR-JP)の原因遺伝子parkinは、若年型の遺伝生パーキンソン病の約半数でその変異が報告されている。その遺伝子産物parkinは、ユビキチン-プロテアソーム経路のユビキチンリガーゼとしての活性をもち、パーキンソン病タイプの変異体にはこの活性が失われている。我々はparkinの基質として、ドーパミン神経細胞に豊富に発現する膜タンパク質パエル受容体を同定した。さらに、パエル受容体が、parkinにより分解されず小胞体内に蓄積すると、神経細胞死がおこることを示した。パエル受容体の生理機能を知るため、パエル受容体ノックアウトマウス(Pael-R KO)とパエル受容体トランスジェニックマウス(Pael-R Tg)を作製した。Pael-R KOは、線条件におけるドーパミン含量が60%程度まで低下しており、Pael-R Tgにおいては、その含量が120%程度増加していた。また、脳内ドーパミンの含量に応じて、Pael-R Tgでは活動量が増え、Pael-R KOでは活動力が減少していた。このことから、パエル受容体は、ドーパミン神経のドーパミン分泌の促進に関与していることが示唆された。さらに、Pael-R Tgにおいては、MPTP、6-OHDAといったドーパミン神経毒に対して高感受性であり、一方、Pael-R KOは抵抗性を持っていた。このことから、ドーパミンの過剰産生状態が、ドーパミン神経にストレスを与え、ドーパミン神経の選択的変性の一端をになうことが考えられる。Pael-R Tgの表現形は、別途作製したParkinノックアウトマウスの表現形と非常に似ていた。すなわち、体重の減少、線条体ドーパミン、DOPACの増加の傾向を示した。Pael-R Tgの老化後の表現形は解析予定。
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Current Opinion in Neurobiology 14・3
ページ: 384-389