研究課題
若手研究(A)
本研究では、ライフスタイル改善、認知変容の観点から、地域住民の睡眠、心身健康、脳機能を維持・増進する生活設計モデル・生活メニュ、援助法を開発・普及することを目的とした。研究協力の承諾が得られた高齢者23名対象に、笑い・ユーモアが、不安・ストレス緩和要因が睡眠健康に与える効果を中心に検討した。笑い・ユーモア態度測定をテストバッテリーを加え、指導は、短期集中型で、4週間の間、昼食後の短時間の昼寝と夕方の軽運動および睡眠健康教育、グループワークを週3回、全12回介入的に行った。指導に際し、睡眠、ユーモアに関する基礎知識と生活メニュに関する教材を作成し、睡眠健康教育に用いた。4週間の生活指導後、アクチグラフ(活動量計)、心電図、生化学データ等を用いて、行動的、生理的側面から効果を評価した。その結果、睡眠の質、脳機能、心身健康に有意な改善効果が確認できた。また、入眠困難性と交感神経活動の高まりの有意な関連が認められたが、認知変容が、不安・入眠および睡眠の質的改善に緩和的に作用することが判明し、ライフスタイル指導に加え、就床前の認知的対処メニューの必要性が示唆された。さらに、本年度は、保健現場で実用化可能な介入・評価法、高齢者の睡眠維持・増進する生活設計モデル・メニュの普及を目的に、高齢者支援コンテンツ化し、パンプレット(認知症、転倒予防のための快眠術-短い昼寝と夕方の福寿体操のススメ)、および快眠生活設計のためのプログラムビデオ(きれいに歳をとる方法、快眠生活のススメ 上巻 解説編、下巻 実践編)を作成した。上記の成果は、介護予防教室の運営ツールとして、平成18年度介護保険制度改正に向けた出版物案内、介護パビリオン(介護保険改正特集号:東京法規出版)で、広く紹介された。また、睡眠改善指導者育成のために、日本睡眠改善協議会を快眠コンソーシアムと睡眠学識者とともに設立し、評議員、講師、試験委員として活動した。
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