研究課題
若手研究(A)
平成17年度は、画質や時間遅れが実際の遠隔共同作業に対してどのような影響を及ぼすのかについて調査した。具体的には遠隔共同作業支援システムAgora(平成13年度〜平成15年度科研費にて研究)を筑波大学、および埼玉大学に設置し、時間遅れ、および画質劣化が生じる状態にすることで調査した。平成17年度の前半はこれまでの研究成果を整理するとともに、Agoraの整備を行った。今回、Agoraにスポットライトを用いた遠隔指示装置を追加した。実験より適切なスポットの直径を求め、8mmが適切なサイズであることが判明した。後半ではAgoraを用いた実験を行い、成果のまとめと今後の課題の抽出を行った。評価については、従来と同じくアンケートのほかに、エスノメソドロジと呼ばれている社会学的手法(相互行為の観察評価)を用いている。分析結果より、システムが持つ時間遅れは、相槌など相手からの反応を得るまでの時間を長くするが、この返答の遅れが会話の流れを阻害してしまっていることがわかった。また、その時間遅れはシステムが要因なのか、それとも相手の反応が遅いのかを作業の参加者は理解することができないため、混乱を生じているという問題も発生していることがわかった。しかしその一方、参加者たちは時間遅れが存在するような環境に対して対応する柔軟性を持っていることもわかった。時間が経つにつれ、作業空間から手を遠ざけて相手の話を聞く体制にあることを示す姿勢をつくったり、聞き返しによって正確な理解を求めたりする行為を取る。このように、普段とは異なる環境での相互行為には混乱だけでなく、秩序を保とうとする行為が発生することなども、実験データを分析した結果判明した。
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