配分額 *注記 |
27,300千円 (直接経費: 21,000千円、間接経費: 6,300千円)
2005年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2004年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2003年度: 17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
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研究概要 |
近年、海洋植物プランクトンが海洋表層から取り除かれる要因として、沈降や動物プランクトンによる捕食以外に、海洋表層での植物プランクトンの細胞死の重要性が指摘されるようになってきた。しかし,北太平洋における植物プランクトンの細胞死に関する報告は無い。そこで本年度は、春および晩夏の北西太平洋亜寒帯域の親潮域および黒潮親潮移行域の植物プランクトンの細胞生存率(総細胞数に占める生細胞数の割合)の比較を行った。水産総合研究センター若鷹丸によるWK0309航海(2003年9月2日〜21日)およびWK0505航海(2005年5月10日〜29日)において、親潮域および黒潮親潮移行域で、細胞消化法を用いて、植物プランクトンの細胞生存率の見積もりを行なった。2003年の晩夏ではSynechococcus spp.の生存率が59〜75%、真核ウルトラ植物プランクトン(体長<10μm)の生存率が21〜41%であり、真核ウルトラ植物プランクトンはSynechococcus spp.よりも致死率(総細胞数に占める死細胞数の割合)が有意に高かった(p<0.01)。一方、2005年の春では,Synechococcus spp.の約80%、真核ウルトラ植物プランクトンの70%以上が生細胞として検出された。さらに、フコキサンチンを含む植物プランクトン(主に珪藻類とプリムネシオ藻類)の細胞生存率は100%に近い値であった。以上の結果から、本調査海域において、植物プランクトンの細胞生存率に季節変化があることが初めて明らかとなった。また、本調査海域の植物プランクトンの除去過程を考える上で、特に晩夏の植物プランクトンの細胞死は決して無視できない過程であることが示唆された。以上の結果をまとめて、国際誌に投稿するための論文を作成した。
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