配分額 *注記 |
29,250千円 (直接経費: 22,500千円、間接経費: 6,750千円)
2004年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2003年度: 15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
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研究概要 |
この研究は,マイクロスタンプ法による細胞のパターン培養と,電気化学的な細胞計測を組み合わせる融合研究としてスタートした。マイクロスタンプ法の改良によって,ガラス基板上に心筋細胞やPC12細胞などの興奮性細胞を単一セルレベルで配列することが出来た。得られた細胞パターンに沿った情報伝達を,共焦点蛍光顕微鏡による細胞内Ca2+イオン濃度の計測によって追跡し,単一細胞レベルネットワークにおけるギャップ結合やシナプス結合の形成と機能を確認できた。細胞パターン形状と細胞活性の対応付けにも,マイクロ電極を用いる独自の計測で成功している。また,細胞パターンをマイクロ流路チップ内に作成して,細胞パターンの局所に薬剤投与が可能であること,それによって細胞間の機能的連結の薬剤応答を精密に評価できることを示した。これらの成果により,本研究の当初の目的は達成できたといえる。さらに,研究の過程で,電気化学反応を利用して細胞の接着箇所を書き込む技術「電気化学バイオリソグラフィー」を新規に開発することが出来た。これは,細胞培養環境下で行うバイオリソグラフィーであり,異なる細胞種を順次配列してネットワーク化することが原理的には可能と期待できる。マイクロスタンプ法を含む既存の方法で作成できる細胞パターンは1種類の細胞に限られていた。電気化学バイオリソグラフィーの適用で,異種細胞間(神経細胞と筋細胞など)の機能的結合に対する薬剤応答を評価する研究ツールが作成できると期待している。
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