研究課題
若手研究(A)
狭義凸な障害物により回折する高周波のふるまいを知るためには、主要項をどのように明らかにするのかが問題になる。この問題について、以下のような結論を得た。○方程式を複素領域でみることにより、障害物の影響を重み関数の取りかえとして表現できる。○高周波の反射に関しては、重み関数は強多重劣調和関数の範囲内でとれる。○強多重劣調和でない重み関数を用いることにより、反射の場合の解の構成方法を手本としながら回折を記述する解を、境界条件との適合性を考慮しない形で構成することが可能になる。○境界条件との適合性については、特異点解消を行うことにより考察できる。○特異点解消は、最大値原理を利用することににより、波動光学の水準で実行できる。影の領域における高周波をエネルギー評価の水準でとらえることについては未解決である。しかし、回折と物理原理の対称性の関係については、以下のことがわかった。○影の領域に回り込む高周波を記述するWKB解の主要項の確定は、基底空間の枠組みを超えたところにある幾何光学の対称性に注目することによりなされる。
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数理解析研究所講究録 1385
ページ: 9-15