配分額 *注記 |
9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2004年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2003年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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研究概要 |
有機トランジスタなど有機デバイスを高性能化するためには,ナノテクノロジーを駆使して,微細化することが不可欠であることは言うまでもない。無機半導体の場合には,電子線リソグラフィーを用いたナノ微細化の手法が確立しつつあるが,有機半導体デバイスの場合には,類似のリソグラフィー手法による微細化プロセスとの整合性が良くない。このため,有機デバイスに適した材料を探索し,さらに低コストの微細化プロセスを確立する必要がある。有機デバイスの特徴は,可とう性,大面積性,低コスト性であるから,ナノ微細化に当たってはこれらの特徴を犠牲にすることなく実現することが求められる。有機トランジスタのゲート絶縁膜としては,絶縁特性と表面平坦性に優れる無機絶縁材料がよく用いられてきたが,やはり可と性,大面積性,低コスト性に優れる高分子材料を用いることが望ましい。今年度は,まずこのゲート絶縁膜材料の探索とそのナノ薄膜化による特性の向上を試みた。我々は,低温で硬化可能なポリイミドを有機トランジスタのゲート絶縁膜へ応用したので報告する。ポリイミドを用いてキャパシタ構造を作製し,絶縁特性を評価した。次にポリイミドをゲート絶縁膜として用いてトップコンタクト型の有機トランジスタを作製しトランジスタ特性を評価した。この結果,絶縁特性として,リーク電流1nA/cm2以下,99%以上の歩留まり,耐圧は約100Vという良好な結果を得た。トランジスタ特性に関しては,絶縁膜の厚さが990nmのものでは移動度0.5cm2/Vs, on/off比102,厚さが540nmのものでは,移動度1.4cm2/Vs, on/off比103という結果が得られた。
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