研究課題
若手研究(A)
我々は前年度までにマウス胎児脳の形態形成がShh→Fgf15→Wnt pathwayによって制御されており、その中でshhによるFgf15発現制御がFgf15遺伝子制御領域にあるGli結合配列を介して直接に行われていることを示した。本年度においてはFgf15遺伝子の解析を更に進め、この遺伝子のヒトホモローグであるFGF19遺伝子の制御領域と保存性の高い部分がこの遺伝子の主な発現領域の制御に関与してることを明らかにした。ヒトFGF19遺伝子の相当部位を用いたトランスジェニックマウスの解析によってヒト胎児でも同様の発現パターンを示すことが推定された。またShhによる視床原基パターン形成機構については、Fgf15遺伝子調節領域を用いたCre発現マウスを作成し、Shhコンディショナルノックアウトマウスと交配したところ、胎児脳に形態異常が観察された。現在このマウスの詳細な表現型を解析中である。前年度において耳胞から内耳神経節が形成される器官培養法を確立した。内耳神経節は耳胞上皮細胞が上皮間葉転換を起こして耳胞外へ遊走し、耳胞に隣接して神経細胞塊を形成することによってできあがる。この器官培養を利用していくつかの因子を試したところ、TGF-beta2に内耳神経節形成を促進する作用があることが明らかとなった。
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小児の脳神経 印刷中
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