配分額 *注記 |
21,320千円 (直接経費: 16,400千円、間接経費: 4,920千円)
2005年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2004年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2003年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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研究概要 |
これまでに、正常群サンプル100サンプル、乳癌患者群177サンプルを収集した。乳癌患者の詳細な臨床情報をカルテより抽出し、データベース化を行った。また、これら計277サンプルについて、11個の遺伝子上にある130箇所のSNPのタイピングを行った。タイピングにはインベーダー法を用いた。タイピングを行った遺伝子並びにSNP数(括弧内)は、ATM(13),NBS1(16),BLM(20),WRN(17),FANCA(15),FANCC(17),FANCD2(6),FANCE(4),FANCF(3),XPA(5),XPC(14)である。これらのタイピングデータを用いてまず、乳癌患者群と正常群間でアレル頻度に差があるSNPの検索を行ったが、両者間で有意な差があるSNPは認められなかった。次に癌患者に特有に見られるハプロタイプの同定を試みた。まず最初に各遺伝子のハプロタイプブロック構造をGabriel法により推定を行った。次にハプロタイプブロック毎にアレル頻度の推定並びに各個人のディプロタイプの推定を行い、癌患者群と正常群で頻度に差があるハプロタイプを検索した。その結果NBS1遺伝子とWRN遺伝子で有意な頻度差を認るハプロタイプを同定した。NBS1遺伝子は3つのブロックに分かれたが、そのうち一つのブロック内の3つのSNPからなるG-G-Gハプロタイプの頻度が癌患者群で有意に高いことが示された(癌患者群での頻度0.60 vs 正常群0.51 p=0.045)。またWRN遺伝子は3つのブロックに分かれたが、そのうちの一つのブロック内の2つのSNPからなるT-Gハプロタイプが癌患者群で有意に高いことが示された(癌患者群での頻度0.23 vs 正常群0.15 p=0.048)。これら結果は癌の易罹患性の診断に応用出来る可能性があり、また新たな発癌メカニズムの発見に寄与できるものと考えられた。
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