研究課題/領域番号 |
15689015
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒川 峰夫 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80312320)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
2004年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2003年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | AML1 / T細胞 / ノックアウトマウス / pre-T細胞受容体 / Lck / Mx-Cre / 成体造血 / 巨核球 / 造血前駆細胞 / リンパ球造血 |
研究概要 |
AML1は造血細胞の産生に重要な役割を果たす遺伝子であるが、ノックアウトマウスが胎生致死のため、成体の造血系における役割は不明であった。われわれはT細胞特異的にAML1を欠失するコンディショナルノックアウトマウス(AML1^<flok/->, Lck-Cre Tgマウス)を作製することにより、T細胞におけるAML1の機能を解析した。このマウスでは胸腺の著明な萎縮を認めた。胸腺T細胞においてdouble negative(DN)分画からdouble positive(DP)分画への分化が障害され、さらにDN分画内ではDN3からDN4への分化が障害されていた。抗CD3抗体による刺激は、胸腺T細胞の負の選択を促進してDP分画からsingle positive(SP)分画への分化を誘導するが、AML1を欠失する胸腺T細胞では抗CD3抗体の投与によってもSP分画への分化は認めなかった。さらにAML1を欠失する胸腺T細胞では、pre-T細胞受容体の構成分子であるT細胞受容体β(TCRβ)やCD3εなどの発現が低下していた。しかしAML1を欠失する胸腺T細胞の分化障害は、TCRβを高発現するトランスジェニックマウスとの交配によっても回復しなかった。pre-T細胞受容体からのシグナル伝達には、チロシンキナーゼであるLckが重要な役割を果たすが、AML1を欠失する胸腺T細胞ではLckの活性も明らかに低下していた。以上のことから、AML1は胸腺T細胞分化の複数のステップで重要な役割を果たすとともに、T細胞のシグナル伝達に関与する分子の活性を制御することが明らかとなった。
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