研究課題/領域番号 |
15700033
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ソフトウエア
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
南里 豪志 九州大学, 情報基盤センター, 助教授 (70284578)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 階層型クラスタ / OpenMP / 通信最適化 / 記憶空間の変換 / データ依存解析 |
研究概要 |
本研究では、階層型クラスタシステムの性能を最大限に利用するOpenMP翻訳実行環境の開発を行った。OpenMPプログラムは全スレッドが一次元の記憶空間を共有するモデルである。一方本研究で構築したシステムは各計算機のローカルメモリのアドレス、及び計算機ごとにつけられたプロセス番号の対からなる二次元の記憶空間を提供する。そのため、一次元の記憶空間で表現されたデータを二次元の記憶空間に配置し、アクセスするための変換技術について研究を行った。また、一般に計算機間のデータ転送には時間がかかるため、可能な限り少ないデータ転送回数で計算を行えるようにデータの配置やアクセスをする必要がある。本研究では、データの配置やアクセスのタイミングを任意に指定できるシステムを構築することにより、効率の良い並列実行を可能とした。 今年度は、広域分散環境における本技術の適用可能性について研究を行った。近年のグリッド技術の普及に伴って、複数のサイトに分散しているクラスタ群を用いた階層的な広域分散並列環境が大規模科学技術計算の基盤として注目されている。通常、このような環境ではMPI (Message Passing Interface)等の分散メモリ型並列プログラミングモデルが用いられるが、本研究の成果を応用することにより、共有メモリ型並列プログラミングモデルによる並列化が可能となる。今年度は日韓高速ネットワークを介して2つのクラスタを接続し、並列計算における基礎データを計測した。その結果、本研究で構築したシステムの実装が可能であることを確認した。ただし、物理的な距離や通信路の競合等による通信遅延時間のため、十分な並列性能が得られるアプリケーションは少数に限られることが分かった。
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