研究概要 |
本年度の成果は,以下の3点である. (1)ソフトウェアエージェントと人間の協調機構の設計:昨年度の成果をベースにして、以下の2点を行った。(A)電子商取引システムBarazaの設計と実装:昨年度の成果であるBiddingBotをベースにしてショッピングを効率化するためのプレゼント検索を実装した。(B)ウェブ上で活動するエージェント技術の実現:電子商取引では、ウェブページ上でのインタラクションが中心になるが、本研究では既存の一般的なウェブブラウザから直接ウェブページを編集・加工できる技術を発明し、その応用としてウェブページ上で永続的にサービスを提供するエージェント技術を実現した。情報処理学会全国大会奨励賞を受賞した (2)電子商取引メカニズムの理論的な設計:昨年度の成果をベースにして、複数の電子商取引メカニズムをゲーム理論のツールを用いて厳密にモデル化・評価した.具体的な成果としては以下の3つがある。(a)非対称情報下において専門家と素人が存在する場合の単一財/複数財オークションの設計である.本成果は,国際的な研究者から継続的に高い評価を受けており,DIMACS2004に受理されている.(b)グループバイのための効率的な提携メカニズム.いくつかの効率的なアルゴリズムを提案している。テレコムシステム技術学生賞を受賞した。 (3)不正入札者の検知アルゴリズム:インターネットの電子商取引の中心であるオークションにおいて、不正入札が問題になっている。本研究では組合わせオークションにおいて不正入札が行われているか否かを判別することによって、不正入札者の存在を検知するアルゴリズムを開発した。本内容は、国際会議IJCAI2005に投稿し、関連学会の全国大会で発表を行う予定である。
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