研究概要 |
接触部に柔軟構造を有する小型接触力センサの開発において,次のことを行った. 1.小型3次元接触力計測センサの接触部変形量の算出 開発した小型3次元接触力計測センサは接触部が柔軟構造であるため,物体との接触によるセンサ接触部の変形量を実時間で算出した.変形量はセンサ接触部にかかる力の量を利用し,Castiglianoの定理に基づいて算出を行った.この結果から,実時間での変形量算出が可能であることを実験により確認した. 2.接触対象物のインピーダンス特性の推定 センサにより取得できる接触力と変形量から,物体把持対象物のインピーダンス特性の推定を実験で行った.この結果から,従来より使用されている高剛性の力センサを使った場合と比較して,接触対象物が高剛性特性を有する場合でも比較的安定的にインピーダンスの推定が可能であり,推定結果の収束も早いということがわかった.このことから,未知対象物の把持において,把持前に必要な情報の一つとして挙げられる把持対象物の硬さ特性を比較的精度よく,かつ素早く取得できることがいえ,器用な物体把持動作の実現が期待できる結果が得られた. 3.接触センサ搭載型ロボットハンドの試作とセンサの実装 本研究で開発しているセンサ実装型ロボットハンドの試作を行った結果,人間の指とほぼ同程度のサイズで指の試作ができた.センサの実装に関しては,センサ複数個利用を考慮して,センサ信号処理部をマイコンを使ってモジュール化し,ハンド制御系と切り離したシステムを構築した.
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