配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
これまでの申請者の研究と他の先行研究の成果から,(1)顔と人名の連合学習には両側の側頭葉先端部(TP)が重要であり,それらの領域は人物の意味情報と人名の音韻情報あるいは顔の視覚情報との媒介系として機能すること,(2)これらの領域の活動は,顔と人名の連合学習の程度によって変化すること,が示された.本年度はこれら2つの要因を統制した実験を構築し,それぞれの要因がTPの活動にどのような影響を及ぼすかを,機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて検証した.本研究は2つの実験から構成され,それぞれ異なる健常成人男性11名ずつが実験に参加した.被験者は,fMRIスキャン前に顔・人名・職業名の連合40セット(PS+:SetA&B),顔と人名の連合40セット(PS-:SetC&D)を学習した.そのうちSetAとCは2回繰り返して学習され(R2),一方SetBとDは7回繰り返して学習された(R7).したがって,記銘条件はそれぞれ20の刺激セットからなるPS+R2,PS+R7,PS-R2,PS-R7の4条件とされた.記銘後のfMRIスキャンでは,実験1では被験者は先に記銘した1つの顔と2つの名前が提示され,顔と正しく連合する名前を再認し,実験2では,先に記銘した1つの名前と2つの顔を提示され,名前と正しく連合する顔を再認した.その結果,実験1ではPS+R2で記銘された顔と人名の連合を再認している際に他の条件と比較して有意に左TPの活動が増加していることが示され,実験2ではPS+の2つの記銘条件で記銘された人名と顔の連合を再認している際に,他の2条件よりも有意に右TPの賦活が増加することが示された.この結果は,顔から人名を想起する際には左TPが,人名から顔を想起する際には右TPが媒介系として機能し,左右のTPの活動は顔と人名の連合学習の程度によって変化することを示唆している.
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