配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
昨年までに,β-estradiol(E2)が苔上線維-CA3シナプス特異的にシナプス形成を促進すること,また,E2がBDNFをmediatorとして作用を発揮することを明らかにした.そこで,生後海馬のアンモン角,歯状回から作製した部位特異的な初代培養系を用いて,E2による苔上線維-CA3シナプス形成とBDNFとの関連を詳細に検討した.まず,アンモン角初代培養系(主に錐体細胞からなる)と歯状回初代培養系(主に穎粒細胞からなる)におけるBDNFの発現量をWestern blotting法を用いて検討したところ,歯状回細胞に強い発現を確認した.アンモン角細胞にもわずかな発現が認められたが,歯状回に比較すると非常に弱い発現であった.また,両培養系において,E2はBDNFの発現レベルに何ら影響を及ぼさなかった.そこで,E2が歯状回顆粒細胞からのBDNF放出を促進し,その結果,シナプス形成を促進する可能性について検討した.歯状回初代培養系におけるBDNF放出に対するE2の作用をELISA法を用いて検討したところ,E2はBDNF放出を有意に促進した.また,薬理学的検討により,この作用がestrogen receptor (ER)α/β非依存性かつPKA依存性であることを明らかにした.以上の結果はE2が歯状回顆粒細胞からのBDNF放出をERα/β非依存性かつPKA依存性に促進し,放出されたBDNFが苔上線維-CA3シナプスのシナプス形成を促進することを示している.これらの結果は海馬におけるエストロゲンのERα/β非依存的な作用,歯状回顆粒細胞に高濃度で局在することがかねてより知られていたBDNFのシナプス形成への関与,さらに,エストロゲンとBDNFのシナプス形成におけるクロストークを示した初めての結果である.
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