研究課題/領域番号 |
15700335
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
朝山 章一郎 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (90315755)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | pH応答性 / 医薬キャリアー / 生体高分子 / ポリ(L-ヒスチジン) / 親水性糖鎖 / バイオコンジュゲート / イミダゾール基 / 脳・心血管 |
研究概要 |
主要死因である脳・心血管疾患の治療法を確立することは人類の健康・福祉にとって極めて大切なことである。血管疾患の誘因となる活性酸素過剰発生部位においては、組織微小循環や好気性エネルギー代謝の影響により、血管・血流内に局所的な弱酸性化部位が生じる。そこで、弱酸性pH応答性の新規生体高分子を合成し、得られた生体高分子を骨格に、新規pH応答性医薬キャリアーを創製した。 前年度合成したキャリアーを用い、細胞内活性酸素消去活性を検討した。活性酸素により機能低下した細胞の生存率は、抗酸化剤単独を用いた場合、有意な回復は認められなかった。しかし、キャリアー共存下においては、細胞生存率が向上した。すなわち、弱酸性化部位を認識するpH応答性医薬キャリアーの有用性が示唆された。 さらに、医薬としての遺伝子を用いた場合、キャリアーと遺伝子とのpH応答的な複合体形成が確認された。弱酸性条件下、遺伝子の凝縮及び複合体の凝集傾向が認められ、細胞膜融合活性の促進に繋がることも明らかとなった。トランスフェクション実験では、キャリアーの誘起するpH応答的物性変化が、遺伝子発現の向上に起因していることが証明された。 動物実験・臨床応用への展開を考慮し、キャリアーの親水性を更に向上させる必要性から、ポリヒスチジンをカルボキシメチル化することによる改良型新規pH応答性医薬キャリアーの合成を行った。得られたキャリアーは従来型に比べて、有意に親水性が向上した。さらに、弱酸性下において細胞膜融合活性が促進した。従って、ポリヒスチジン主鎖のpH応答的コンフォメーション変化により、キャリアーの構造変化が誘起していると考えられる。 以上、局所酸性化部位を認識する生化学的機能を有している新規医薬キャリアーを創製した。故に、脳・心血管内疾患に対する治療工学へ新たな展開を導くものと考えられる。
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