研究課題/領域番号 |
15700343
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
柿澤 資訓 物質・材料研, 研究員 (80354265)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ブロック共重合体 / リン酸カルシウム / ナノ微粒子 / たんぱく質 / ドラッグデリバリーシステム / 無機-有機複合体 |
研究概要 |
ポリエチレングリコール(PEG)とポリメタクリル酸(PMA)からなるブロック共重合体PEG-PMA存在下で、リン酸およびカルシウム溶液を混合することで、リン酸カルシウムを一成分とするナノサイズの微粒子が合成可能であることが見出された。本研究では、この粒子にオリゴヌクレオチドやプラスミドDNAだけでなく、二本鎖RNAやタンパク質が内包可能であることが明らかとなった。タンパク質としては、牛血清アルブミン(BSA)および西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)をモデルとして用いた。PEG-PMAとしては、PEG分子量7800、PMA分子量2000(PolymerA)とPEG分子量7500、PMA分子量15500(PolymerB)の2種類の組成のものを用い、分子量の粒子形成に与える影響を評価した。動的光散乱測定守粒径を評価したところ、PolymerAを用いた場合、ポリマー濃度250-750ug/mLの範囲で安定な200-250nmの粒子が形成された。一方、PolymerBを用いた場合、ポリマー濃度450-750ug/mLの範囲で250-300nmの粒子が形成され、これより薄いポリマー濃度領域では、1um以上の粒子または沈殿がみられた。粒径の多分散度は、PolymerAに対しては0.1以下であったのに対し、PolymerBでは0.1から0.2の範囲であった。粒子へのBSAの内包率は、両組成ともに約95-65%で、ポリマー濃度とともに減少した。これに対し、HRPを用いた場合は、同じポリマー濃度範囲で内包率は20-0%であり、粒子へのタンパク質の内包には選択性があることが明らかとなった。以上、本研究では、ブロック共重合体とリン酸カルシウムからなる無機-有機ハイブリッド微粒子が、タンパク質のドラッグデリバリーシステムとしての利用に必要な条件を有していることが示された。
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