研究課題/領域番号 |
15700383
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
リハビリテーション科学・福祉工学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
花村 美穂 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (20329709)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 脳損傷 / 高次脳機能障害 / リハビリテーション |
研究概要 |
外傷性脳損傷、脳卒中後の高次脳機能障害患者に対する回復期リハビリにおいて、訓練量の違いによる訓練効果を検討した。【対象】平成16年1月〜12月に当院に入院した記憶障害、注意力障害、遂行機能障害、社会行動障害等を認めた高次脳機能障害患者64名。【方法】訓練は各4週間ごとにAターム、Bタームで区切り、ABAとBABの2方法を用意した。Aタームでは作業療法士による通常のADL訓練、認知訓練を行い、Bタームでは通常の訓練に加えて言語聴覚士による1日1時間の計算課題を行う集団訓練を週5日間負荷した。評価はFIM、FAM、WAIS-R、Trail Making Test、Wisconsin Card sorting Testなどで行い、入院時と各タームの最終週に評価を行った。対象患者は入院順に振り分けた。【結果】対象患者64名の内、発動性低下等で課題実施が困難であった20名、失語症合併12名、訓練を拒否した2名、障害軽度例や嚥下訓練を優先させた20名を除外し、10名のみが対象となった。10名の入院時におけるFIM運動項目合計は77.3点、認知項目合計は24.2点、WAIS-RのTIQは68.6であった。10名中3ターム完了したのは2名、2ターム完了したのは2名で、6名が途中退院した。2、3ターム完了した4名の入退院時のWAIS-RのTIQは平均61→72点に改善しているが、ターム間で差を認めた検査はなかった。8名の途中退院の理由は入院生活の拒否が4名、家族の早期受け入れが2名、転院が2名であった。【考察】回復期リハビリの効果を脳損傷後の自然回復と区別して検討するためにABA法を採用した。しかし、今回のプログラムでは13週の入院期間を要すため、80%の患者が入院継続困難により中止となった。入院により身体機能、認知機能に改善はみられたが、訓練時間を増加することでの差は見られなかった。脳損傷患者の症状は様々で、また情動面での影響も大きく、画一的な訓練を行うのは困難であった。
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