研究課題/領域番号 |
15700470
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
太田 敏郎 静岡県立大学, 生活健康科学研究科, 助手 (40285193)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 血管新生 / 癌 / 食品成分 / アポトーシス / p38 MAPK / EGCg / Olvanil / Propolis / ヒト血管新生モデル / 茶カテキン / caspase |
研究概要 |
固形癌の増大には、新たに作られた腫瘍組織に栄養素や酸素、さらには成長因子類を供給するために血管の新生が必要である(腫瘍誘導血管新生)。この血管新生を抑制することで癌の進展が阻止できるという考えに基づき、癌治療のための血管新生障害剤の探索、開発が近年盛んに行われている。2003年にはAvastin(抗VEGF抗体)が米国の臨床試験で血管新生阻害薬として初めて癌への有効性が証明され、2004年2月に医薬品としての認可を受けている。一方で、日常的に摂取可能な食品成分で血管新生を抑制できれば、薬より弱い作用でも癌の予防や再発防止には有効であると考えられる。これまでの研究から、茶カテキンEGCgがその有望な物質として浮かび上がってきているが、これ以外に新たな血管新生抑制食品成分を探索した。さらに、その作用機構を分子レベルで解析した。 新たな血管新生抑制食品成分の探索のため、in vitroヒト血管新生モデルを用いて管腔形成阻害実験を行い、さらにマウス背部皮下法により生体内での腫瘍血管新生抑制効果を検討した。数十種の食品成分をin vitro、in vivoバイオアッセイ系でスクリーニングした結果、EGCgと同等かそれ以上の効果を示すサンプルとしてトウガラシ辛味成分カプサイシンの類縁体であるOlvanilやミツバチが樹液などから作り出すPropolisなどを見出した。その過程で、in vitro血管新生モデルを用いた解析において多くのサンプルでアポトーシス誘導が観察されたことから、これらのサンプルについてアポトーシスとの関連を調べたところ、血管新生抑制がcaspase-3の活性化を介したアポトーシス誘導を伴っていることが示された。さらに、caspaseカスケードの上流に位置するアポトーシスシグナルp38 MAPKの変化や血管新生特異的なタンパク質発現の変化などについても解析を行った。
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