研究課題/領域番号 |
15700486
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 首都大学東京 (2005) 東京都立短期大学 (2003-2004) |
研究代表者 |
渡邊 容子 首都大学東京, オープンユニバーシティ, 助手 (00240531)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 共沈 / タンパク質 / 発酵 / カルシウム / 豆乳タンパク質 / 牛乳タンパク質 / 乳酸発酵カード / 溶解性 / 豆乳 / 凝固 / プロテアーゼ |
研究概要 |
【目的】豆乳・牛乳混合系から乳酸発酵による共沈カードの生成には、フィチン酸よりもカルシウムの関与が重要であるという結果が得られている。そこで本年度は、両タンパク質の共沈におけるカルシウムの役割を明らかにすることを目的として実験を行った。 【方法】大豆素材に分離大豆タンパク質(SPI)、乳素材として脱脂乳およびカゼインを用い、それぞれ1:1の割合で混合乳を調製した。この混合乳を用いて、共沈に対するカルシウムの影響をカルシウム添加により、また乳酸発酵中の可溶性カルシウム量の変化と共沈状態の関係を調べた。なお、可溶性カルシウムはVIVASPIN(VIVASCIENCE社製)を用い調製し、カルシウム量は原子吸光法にて測定した。 【結果】SPI:脱脂乳の混合乳のpHを塩酸溶液にてpH6.9-6.0に調整し、塩化カルシウム溶液を滴下し、共沈物質の生成を観察した。その結果、pH6.9においても混合乳の添加塩化カルシウム濃度が12.2mMに達すると共沈が起こり、pHが低下するに伴い共沈に要する塩化カルシウム濃度は緩やかに低くなり、pH6.0においては5mM濃度付近で共沈がみられた。SPI:カゼインのpH調整混合試料についてもSPIと脱脂乳の混合試料の結果と類似した結果が得られ、大豆・乳タンパク質の共沈にはカルシウムが主役であることが認められた。また、脱脂乳を乳酸発酵することにより可溶性カルシウムが発酵に伴い増加することを確認し、SPI:脱脂乳の混合乳を乳酸発酵させ、共沈カードを形成させた。経時的に混合乳のpH、可溶性カルシウムの変化を調べた結果、共沈が起こるpH6.0付近で可溶性カルシウムが急増することが確認された。このpHの低下による脱脂乳中の不溶性カルシウムの可溶化が大豆タンパク質の凝固を促し、ついで乳タンパク質の共沈を誘導することを示唆している。このことにより両タンパク質の共沈生成には、カルシウムが重要であることが明らかになった。
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