研究課題/領域番号 |
15700490
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 人間総合科学大学 (2005) 独立行政法人理化学研究所 (2003-2004) |
研究代表者 |
五十嵐 香織 人間総合科学大学, 人間科学部, 講師 (90360487)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | タンニン酸 / 硫酸第一 / 微量元素 / 腸管吸収 / 反転腸管実験法 / マルチトレーサー法 / カテキン / 硫酸第一鉄 / 吸収 / カニュレーション法 / ポリフェノール |
研究概要 |
各種微量元素、有害金属などの腸管吸収におけるポリフェノール類の吸収促進、阻害作用を明らかにするため、マルチトレーサー法およびラット反転腸管実験法を用い、タンニン酸が微量元素の吸収に及ぼす影響を検討した。7週齢のWistar系雄性ラットをネンブタール麻酔下で開腹し、十二指腸、空腸および回腸を摘出して反転腸を作成し、漿膜側に緩衝液を注入した。反転腸は、マルチトレーサーを含み、鉄として0.5mgに相当する硫酸第一鉄を添加した緩衝液、またはマルチトレーサーおよび硫酸第一鉄を含みタンニン酸2mgを添加した緩衝液に入れ、37℃で1時間インキュベートした。その間、酸素95%:二酸化炭素5%混合ガスをバブリングした。インキュベート後、漿膜側液を採取し、溶液中に含まれる放射能を高純度ゲルマニウム半導体検出器で測定・解析した。 マルチトレーサー、硫酸第一鉄およびタンニン酸を添加した緩衝液でインキュベートした群は、マルチトレーサーおよび硫酸第一鉄を添加した緩衝液でインキュベートした群に比べ、空腸および回腸において、鉄の取り込みが有意に低値を示した。亜鉛の取り込みでは、タンニン酸を添加した群はタンニン酸を添加していない群に比べ、空腸において有意に低値であった。コバルトの取り込みでは、タンニン酸を添加した群は、タンニン酸を添加していない群に比べ、十二指腸および空腸において有意に低値であった。バナジウムおよびセレン、有害金属であるヒ素の取り込みは、タンニン酸の作用を受けなかった。これらのことから、タンニン酸は鉄、亜鉛およびコバルトなどの腸管吸収に影響を及ぼす可能性が示唆された。 さらに、ポリフェノールと鉄の錯体形成能および結合定数について、現在検討を行っている。
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