研究概要 |
本研究では,インターネット上の既存の学習リソースが提供するハイパー空間における主体的学習の支援を目的として,学習者自身がどのような経路で学習を進めていくかを検討可能なパスプラニング環境を実現するナビゲーション支援システムを開発している. この目標を達成するために,平成17年度は(1)適応的なパスプラニング環境を実現するための概要情報制御機能を開発し,(2)開発したシステムの有効性を調査するための評価実験を行うとともに,(3)その結果に基づくシステムの改良を実施した. (1)については,平成16年度までに開発した,プラニング過程に基づいて適応的にWebページの概要情報を生成する概要情報生成エンジンに加えて,システム利用者がプラニング過程で自分自身で概要情報の量を制御できる概要情報制御機能を開発した.これにより,プラニング過程においてシステム利用者の意図をより詳細に反映することが可能となった.(2)については,これまでに開発したシステムを利用して,理工系大学生・大学院生からなる実験協力者により,概要情報生成エンジン及び概要情報制御機能に対する評価実験を行った.その結果,概要情報生成エンジンを利用することによってタスクの実行に効果的なプランを作成することができるとともに,概要情報制御機能を利用することによってプラニング時に利用者の意図がタスクの実行に強く反映されることを確認した.(3)についてはシステムの完成度を高めるために,インタフェース及びユーザビリティの改良及びシステムの安定性を強化した.
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