研究概要 |
本年度は,最終年度としてレジストリ環境の実現に向けた設計とシステム開発を行った。まず,当初の研究ではレジストリ環境の技術的モデルとしてUDDをベースに設計を行っていたが,近年の技術動向としてRESTと呼ばれるリソースのアクセス手法が,UDDIよりもより容易に扱えることが調査としてわかった。そこで,ソフトウェアのXML化によるウェブサービス化とREST化によるレジストリ環境の実現について平行して行った。 前者については,HDL(ハードウェア記述言語)を対象にして,そのXML化言語であるXHDLを設計し,実装を行った。XMLで記述することで,様々なフォーマットにより呼び出しが可能となり,他のプログラムモジュールについても利用が有効であることが明らかとなった。また、タイピングソフトウェアを対象にしてウェブサービス化についてのモデルについても提案と試作を行った。 後者については,最終的にREST化により実現することとした。教材リソースのメタデータ表記については,前年度の調査結果を踏まえ,XMLによる教材の再利用データの管理として,標準化規格であるSCORMに着目した。SCORMおよびXMLに関する知識がなくても容易に変換できるように,scorm2XML変換モジュールを作成した。そして,SCORMメタデータと教材リソースの管理として,リレーショナルデータベースではなくXMLネイティブデータベースを採用することとした。そして,XMLネイティブデータベースとRESTアクセスを連携させたレジストリ環境を実装し,SCORMメタデータを対象にした試行を行うことができた。 以上の枠組みを試作・実装するために,データベースサーバ用および開発用の計算機を2台と,評価用のクライアント環境として,1GBメモリを搭載する小型ノートPCを1台購入した。研究成果は国内全国大会,研究会で発表を行った。
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