研究概要 |
本年度は,計画の最終年度であることを踏まえ,システムの評価と利用者の行動の変化の実態調査を行った.なお,前年度までにおいては,1)アウェアネス提供システムの構築と安定動作の確認,2)研究の理論的背景に関する構築,を終了している. e-learningにおけるアウェアネスの提供が,学生のe-learningに対する関与と満足度に,どのような影響を及ぼすかについて解明するために,教員のアウェアネスを常時学生に提供するためのシステムを構築し,実働試験を行った.システム完成(平成17年4月17日)から現時点(平成18年2月24日)までの稼働期間は,連続して313日である. システムの利用者(学生)の,システム自体の有効性に対する評価を調査し,システムを利用することにより,e-learningに対する関与と満足度がどのように向上するかについての調査を行った.実験参加者(学生)にはモバイル型のノートPCを貸与し,常時教員のアウェアネスを得られる状況を作った.さらに,実験参加者が常駐する室内に,教員のアウェアネスが常時提供される装置を設置した.この環境を前提として,電子入力可能型のホワイトボードと,大型プリンタを利用した,CSCL実践(「新しいアウェアネス装置」に関する知識創造活動)を行い,参加者によるシステムの定量的・定性的評価を行った. 以上の結果をふまえ,e-learningにおけるアウェアネス提供についてのデザインを提案する.結果は,平成17年度末までに,「朝日大学産業情報研究所報」に資料論文として投稿予定である.
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