研究課題/領域番号 |
15700536
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | 京都造形芸術大学 |
研究代表者 |
宇田川 滋正 京都造形芸術大学, 歴史遺産研究センター, 主任研究員 (10340522)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 文化財 / 大気汚染 / 屋外彫刻 / 保存科学 / 酸性雨 |
研究概要 |
平成16年度は、昨年度本学敷地内の天心館アネックス屋上に設置した観測ステーションで、引き続き環境測定を行なった。観測ステーションは、百葉箱・雨水採取器・試料板暴露台より構成されており、月ごとの雨の成分・降雨量・温度・湿度・大気環境中の窒素や硫黄成分の測定を行なった。また、同地点に金属試料板3種(純銅・青銅・炭素鋼板)並びに大理石試験片を複数枚設置し、3ヶ月毎の短期的な季節変動と、1年間の長期的な影響を調査するためにサンプリングを行なった。これらの試料の分析から、屋外環境と屋内環境といった環境の違いを比較し、検討を行なった。金属板の表面には3種とも暴露を始めると短期間で酸化膜を生成し、長期間暴露するほど、暗褐色の安定した錆を生成していることがわかった。また青銅板に関しては、表面に鉛が析出し、白く斑点状に見られる試料もあった。大理石試料片は、屋外環境においては重量減、屋内環境においては重量増がそれぞれわずかであるが見られた。 また、京都市内の50件の屋外彫刻(主にブロンズ製作品)のリスト化し、各作品の所在地・制作年代・作者・大きさ等の情報の更新等を行なった。データベース上に地図情報等の項目を追加し、個別データの充実を図った。 今後も環境測定並びに暴露試験は継続して行なう予定である。また、これまでの測定結果もふまえ、暴露した金属試験板や大理石試料片のさまざまな保存科学的な分析(電子顕微鏡による表面観察・色差の測定・酸化膜のX線回折分析)を通して、さらに考察を重ねていきたい。
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