研究課題
若手研究(B)
二ヵ年の研究機関の最終年度にあたる今年度は、研究自体のまとめに重心を移しつつ、以下のような研究実績を上げた。第一に、透明オブジェクトの立体視を試行した。これにより、前年度の属性情報の可視化を基盤とした、都市建造物の重層的可視化が基本的には可能となった。ステレオペアからの立体視というハードルにより一般応用可能な手法となるには至っていないが、抽象的可視化という観点から意義ある研究フェーズとなった。また、このように前年度から反復的に行われた試行を軸として、研究上の波及効果が発生した。そのような効果を第二以下の研究実績としてここに述べる。第二に、前年度の研究実績報告書で言及したスピニンオフ的研究である都市形状分析に関する論文が国際学術誌Computers, Environment & Urban Systemsでの出版に至った。第三に、その研究結果を整理したものが国際学会IEEE SAINTでの発表論文となった。第四に、本研究により深めることが可能となった都市を対象とした可視化と形状に関する考察を基盤として、森林を対象とした樹冠形状の分析への端緒が開かれた。一般に都市を対象とした学術分野と森林を対象とした学術分野において分野横断的な試みを行うことは非常に困難であると考えられるが、本研究によって得られた形状と可視化という手がかりが基盤となって、学際的な分析手法の開発が可能となりつつあることは特筆に値する。第五に、本研究に至る年来の可視化関連の試みにより、当該研究者は国際写真測量リモート・センシング学会(ISPRS)の作業部会(WG)II/5 Communication and Visualization of Spatial Data副座長(Co-Chair)に今年度就任した。4年間の任期中に、国内外の可視化関連研究者との交流を深め、本研究で行った試みの発表と一層の進化を期待したい。俯瞰的に見ると、本研究はそれ自体の進化・深化と共に学際的試みを可能ならしめるノードとしての機能を果たしたと言い得る。建造物属性情報の重層的可視化手法という着想を実現するための要素技術の開発が分野横断的な新手法の開発・試行を可能とした。
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Computers, Environment and Urban Systems. 29
ページ: 223-247
Proceedings of the 2005 Symposium on Applications and the Internet Workshop SAINTWKSO 2005, Trento, Italy (印刷中)
ページ: 4-4
Proceedings of the 4th Symposium on Digital Earth, Tokyo, Japan (印刷中)
ページ: 9-9
African Study Monograph. (印刷中)
ページ: 20-20