研究課題/領域番号 |
15700549
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地理学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
中谷 友樹 立命館大学, 文学部, 助教授 (20298722)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 理論疫学 / 多地域流行モデル / HIV感染症 / AIDS / 感染症サーベイランス / 地理的加重回帰法 GWR / 日本 / HIV / 空間的拡散 / 時空間的流行モデル |
研究概要 |
HIV/AIDSの多地域流行モデルを開発し、わが国のHIV/AIDSサーベイランス・データを用いて流行の空間的解析・予測を行った。研究は次に示すように5つの段階からなる。第1に、HIV/AIDSの簡便な流行モデルを、理論疫学モデルで典型的なSIR型モデルの形式をとる階差モデルとして定式化した。第2に、これまでの疫学調査等から、モデルに含まれる疫学パラメターの中で特定可能なものを識別・推計した。結果として、接触感染率のパラメターのみを経験的に推計する必要性が残された。第3に、HIV/AIDSサーベイランスのデータから都道府県別のHIV感染者数時系列データを復元した。ここでは1999年以降の感染症新法の関係で、感染者の住所が、居住地から報告機関所在地へ移動している点を、別資料を援用しながら補正した。第4に、この補正されたHIV感染者数時系列データを用いて、定式化した多地域流行モデルをキャリブレーションし、パラメターの推計値ならびに都道府県間での流行の関連性を確認した。ただし、都道府県によっては報告患者数が少なく、推計されるパラメター値の信頼性が乏しくなるため、カーネルスムージングの技法を援用した地理的加重回帰法(地理的加重ポアソン回帰モデル)によって接触感染率の地域別パラメターを推計した。第5に、人口予測資料を用いて2015年までの地域別流行推移を予測した。その結果、東京大都市圏が引き続き日本におけるHIV/AIDSの流行中心であり続けるが、同時に京阪神大都市圏が西日本各地の流行を推し進める新たなHIV/AIDS流行の中心となることが予測された。さらに、これら大都市圏の感染者と地方に居住する感受性者間での感染は、全国的なHIV/AIDS流行に大きく貢献しており、大都市圏の流行の抑制は、日本全体でのHIV/AIDS流行抑制と密接に関連することが示唆された。
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