研究課題/領域番号 |
15710002
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境動態解析
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山口 篤 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助手 (50344495)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 動物プランクトン / バイオマス / バイオメトリー式 / 北太平洋 / 生物地球科学 / 環境動態解析 / 生物海洋学 / プランクトン学 |
研究概要 |
西部北太平洋を中心とする北太平洋全域で採集された動物プランクトン試料について湿重量、乾燥重量、C,H,N量、灰分量、有機物重量およびカロリー量を測定し、各8単位間のバイオメトリー式を求めた。いずれの単位間も両対数式で極めて有意な関係式を得ることができた(p<0.0001)。これまで動物プランクトンバイオマスは作業時間効率の観点より、その多くが1つの単位(湿重量が多い)でしか測定されていなかったが、本研究で得られたバイオメトリー式を用いることによって他の単位で表示することができるようになり、海洋における物質循環にはたす動物プランクトンの役割をより正確かつ定量的に把握することが可能となった。 本研究において得られた動物プランクトン各単位間のバイオメトリー式を他の海域(北大西洋、サルガッソー海)で報告されている関係式と比較したところ、炭素量が他の海域に比べて約1.5倍高いことが分かった。この関係式の海域差は、各海域に固有な動物プランクトン相の反映であると解釈できる。北太平洋亜寒帯域の動物プランクトン相に卓越する(バイオマスの60〜80%)大型かいあし類Neocalanus属は体内に脂質を蓄積する(C含有量は乾燥重量の50%を越える)ことが知られている。この主要動物プランクトンの高い脂質の蓄積が、北太平洋亜寒帯域において動物プランクトン炭素量が高い要因であると考えられる。このように動物プランクトン各単位間の関係式はそれぞれ海域間で固有の関係式を使用する必要があることがわかった。 平成16年度には上記結果を国際雑誌に投稿し、受理・印刷まで行うことができた。また得られたバイオメトリー式から代謝量の推定を行う予備実験として、北海道大学練習船おしょろ丸の第154次航海に乗船し、動物プランクトン呼吸量の船上飼育実験を行い、良好な結果を得た。
|