配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
本研究では,ロシア極東地域で毎年発生している森林火災に対し,ノア衛星を利用して10年規模の長期にわたる森林火災の発生状況を時系列的に解析することが目的である. 本年度はまず,1994年から2003年の森林火災の検出結果を5月から10月まで一月毎に集計した.その結果,森林火災が多いのは毎年6月から9月にかけてであり,特に7月は多くの年で最も森林火災が多い月であることが分かった.また,森林火災の規模が最も大きかったとされる1998年は,最も多い月で平年の約7-8倍の検出画素数となった.1998年の夏期の降水量が過去十数年で最も少なかったことによることが大規模森林火災の一つの重要な要因であることが分かった. 衛星画像から森林火災を検出する場合の問題点の一つは,発生する大量の煙によってホットスポットが覆われ,火災の検出を行うことができなくなるということである.しかし,火災の検出を行うことができなくても,煙を検出できれば,逆にそこから火災の発生を知ることができる.本年度は,ロシア極東地域に対して森林火災煙の検出を行った.通常,火災のホットスポットの画素数と検出される煙の画素数にはかなりの相関関係を確認できるが,一ヶ月間のホットスポットの画素数が同程度であった1996年と1997年の6月に対して検出した煙の画素数を比較したところ,ホットスポットの数がほぼ同程度であるにもかかわらず,1997年の方が約2割程度少なくなった.そこでこの月の降水量のデータと比較したところ,1997年の降水量は1996年の降水量の約2倍であることから,雨によって煙が吸収され,その結果として煙の画素数が減少したことが分かった. 今年度はソウルで開かれた国際会議(IEEE International Geoscience and Remote Sensing Symposium)において以上の研究成果を2件発表した.
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