研究概要 |
昨年度の本研究において、甚大な被害を被ったIHHNV(Infectious Hypodermal and Hematopoietic Necrosisvirus)汚染も本年度に入ると落ち着き、昨年度新たに作成したMBV(Monodon Baculovirus)およびHPV(Hepatopancreatic parovirus)の各検出プライマーを用いた競合PCR条件を検討・確立した。6月より開始した集約型ウシエビ養殖2ターン(約3.5ヶ月×2)において、養殖されているウシエビ、ウシエビ養殖時に用いる海水、淡水および土壌、近隣の河川水のサンプリングを定期的に行い、現地にてDNA調製可能となるよう研究協力機関であるTOMSER., CO.LTDに依頼した。サンプル受け取りのため年度末に訪越し、現地TOMSER実験施設にてDNA抽出を行なった。また、検査機器の導入が難しい地域(南部メコンデルタ)で行なわれている粗放型ウシエビ養殖場にも赴き、集約型養殖との比較を目的としてサンプリングを行い、同様にDNA抽出し、一部PCR検出によりウイルスの存在を確認後、国内に持ち帰った。現在までのところ、これらサンプルからは対象としているエビ感染性ウイルス(WSSV : White Spot Syndromevirus, MBV, HPV, YHV : Yellow Headvirus, IHHNV)のうち新たにプライマーを設計したMBV遺伝子のみが検出された。また、ノロウイルス遺伝子も検出されており、今後、確立した競合PCR法を用いて経時的変動を追究する予定である。
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