研究課題/領域番号 |
15710031
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価・環境政策
|
研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
篭谷 泰行 (籠谷 泰行) 滋賀県立大学, 助手 (90275157)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 森林伐採 / 林地処理 / 地球温暖化 / 温室効果ガス / 土壌 / 林地管理 |
研究概要 |
森林伐採とその後の異なる林地処理がもたらす温暖化効果を評価するため、滋賀県高島市の落葉広葉樹二次林調査地において実験を継続した。斜面に10m×30mの区画を全部で17区画設置し、それぞれの区画に(1)伐採後植生の再生を排除し、さらに寒冷紗をかけて温度の上昇を抑制する、(2)伐採後植生の再生を排除するのみ、(3)伐採後植生を積極的に導入する、(4)非伐採(対照)、(5)その他(伐採後人為的に表土攪乱を行う場合と伐採後従来施業どおりスギ植樹する場合)の処理を、(1)〜(4)は3区画ずつ、(5)は1区画ずつ適用した。 非伐採区での地上部植生の成長量は2.3t/ha/yrであった。土壌のガス代謝(温室効果ガスCO_2、CH_4、N_2Oの放出・吸収速度)測定の結果、CO_2放出速度は伐採後減少し、N_2O放出速度は逆に増大の傾向が見られた。CH_4吸収速度は土壌攪乱によりやや減少の傾向が見られたほかは顕著な変化は認められなかった。各区画の比較から、CO_2放出速度の伐採にともなう変化の内訳は、植生が除かれることによる変化が-29%、土壌温度の上昇にともなう変化が+24%、表土攪乱による変化が-14%となった。地上部植生、土壌のガス代謝の変化の測定結果にもとづき、この調査地の森林伐採にともなう温暖化効果を評価した。伐採により、地上部植生の純生産量分である11.5t CO_2/ha/yrが失われた。土壌呼吸量は1.5t CO_2/ha/yr放出量が減少した。土壌のCH_4吸収量はCO_2換算で0.01t CO_2/ha/yr減少した。N_2O放出量は同じくCO_2換算で0.3t CO_2/ha/yr増加した。結局、合計で10.3t CO_2/ha/yrの温暖化効果と推定された。この内訳をガスごとに見ると、CO_2、CH_4、N_2Oがそれぞれ97.1、0.1、2.9%となり、伐採にともなう地上部植生のCO_2固定機能の消失が圧倒的に大きく働くことが示された。ただし、土壌のガス代謝の変化だけで見るとまた大きく異なることも明らかとなった。
|