研究課題/領域番号 |
15710034
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境影響評価・環境政策
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
太田 俊二 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教授 (10288045)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 森林面積 / 気候資源 / 人口密度 / グリッドデータ / 太陽エネルギー利用効率 / 植物生産 / 水田水温 / 炭素貯蔵 |
研究概要 |
モンスーンアジアの主要な農業形態である水稲耕作の将来を考えるとき、水温の分布とその将来変化はきわめて重要である。しかしながら、現状において水温の広域的かつ連続的な測定は行われていない。本年度はOhta et al.(1993)の気候データから水温を求めるモデルを利用して、将来の気温上昇が水稲耕作へ及ぼす影響について研究した。 まず、植被の繁茂は直接の日射を遮る一方で長波放射を水体に供給して温度を上げる点を考慮するために、今回は水田において水稲が移植されてから次第に大きくなって収穫されるまでを葉面積指数の関数で表し、大気、水稲と水体の熱収支から水面の純放射量を求めた。この水面純放射量と諸条件をOhta et al.(1993)のモデルに与えて日平均水温をシミュレーションした。我が国において1950年代から測定されている水温と葉面積指数のデータを用いて、本モデルを検証したところ、モデル水温はきわめて良い精度で実測水温を再現していることがわかった。 次に、このモデルと緯度経度30分グリッドの現在気候データを用いて、モンスーンアジアの水田水温の分布を明らかにした。気候データは月単位の時間解像度を持っているので、その季節変化も同時に明らかにした。ほかに農業気候資源の分布として、移植可能早限期、耕作可能期間、有効積算水温、蒸発能および蒸発能と降水量の比、ボーエン比を描いた。また、同様にして、現在の気温よりも1.5、3.0、4.5K高く、相対湿度が現在気候と変わらないと仮定した将来気候下でも計算した。 これらの結果を総合すると、中国東北部においては乾燥化が進み灌概の必要性が高まり、一方で北緯33度以南の太平洋岸のほとんどの地域や中国東南部、タイ、マレーシアなどの東南アジアにおいて極端に高い水温となることが予想され、高温障害への対策を急がなければならないことがわかった。
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