研究課題/領域番号 |
15710063
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
押川 英夫 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (80311851)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 波浪エネルギー / 底質制御 / 非対称構造物 / 漂砂 / 海岸侵食 / 波浪残差流 / 地行浜 |
研究概要 |
波浪エネルギーを用いた底質輸送制御技術の研究開発を実施した。本技術は波浪によって生じる往復流場に非対称形状を有する構造物を複数個設置するだけで、海底付近に波の一周期平均的な一方向流れを任意の方向に生成させることで、底質移動の自在な制御を可能とするものである。本年度はBaNKシステムの研究開発の一環として、振動流場に設置された没水状態の半円柱型構造物周辺の流れとそれに作用する力を高次精度風上差分法を用いたDNSにより評価することで、非対称構造物周辺の流れの構造について検討した。 非対称構造物である半円柱と対称構造物である楕円柱に作用する振動方向の抵抗力の時系列の比較より、無次元時間t/T≒4.3(tは時間、Tは波の周期)の負のピーク付近において、半円柱と楕円柱の抵抗力の差異が大きいことが分かった。この位相は加速度の絶対値が最大となる時刻付近であり、構造物の投影面積と体積が等しくても形状の差異によって慣性力が異なることが分かった。半周期目のt/T=4.5付近の位相においても対称構造物と非対称構造物で抵抗力の差異が大きくなっていたが、この位相は構造物の切断面に絶対値が最大の流れが作用する時刻であることから、Morison式中の抗力(定常分の力)が卓越するために形状抵抗が大きく異なることで抵抗力に差異が生じている。これは即ち、(定常流で用いられる)抗力係数の違いに起因した差異である。 また流れの瞬間像の検討から、波に相当する短周期往復流場における半円柱型構造物周辺の流れでは、順流最大の位相(構造物の滑らかな面に流れが作用する位相)付近には横断方向に軸をもつ渦が生じるものの、逆流時(構造物の切断面に流れが作用する位相)には発生しないことが分かった。更に、非対称構造物周辺の順流最大時付近の流れの構造は、対称構造物における流速最大時の流れの構造と類似していることが分かった。
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