配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
本研究では,根圏付近の植物,細菌,原生動物,後生動物の生物学的環境とその周辺部の物理化学的環境,および根茎から分泌される物質を根圏生態系とみなし,根圏生態系における汚染物質除去機構を明らかにし,さらに得られた知見を多くの人が利用できるインターネットで情報化することを目的としている。一方,根圏微生物の多くは根茎の周囲に形成された生物膜内部や根茎内部に存在しており,そのままでは観察や同定が容易でないこと,また分離培養が困難な微生物が圧倒的に多いといったことから,水生植物の根圏を構成する微生物相やそれらの機能は未解明の部分が多い。そこで,水生植物の根圏微生物相検索に適した手法の検討を行った。具体的には,近年環境中の微生物の検索に利用されてきているPCR-DGGE法の適用を試みた。その結果,以下のことが明らかになった。 1)2001-2005年における、5月〜12月のマコモの窒素・リン吸収量を評価した。4年分のデータを整理することによって、マコモの窒素・リン吸収について一般性があることを示すことができた。 2)マコモ根茎付着細菌相を調べるため,PCR-DGGE法を試みた。変性剤濃度15%〜55%で200V,4時間泳動を行った場合,マコモ根茎および栽培液の試料においてバンドが複数本確認されたことから,マコモ根茎付近は,数種類の細菌によって構成されていること,さらに,マコモ根茎付近に硝化細菌が存在する可能性が示された。 3)マコモ根茎からは糖やアミノ酸などの高分子・低分子化合物が分泌されていると考えられるため、栽培液を採取し,TOCの測定を行った。その結果、5月から12月までの実験期間中、ほとんどの時期においてマコモ栽培液中の有機物濃度が上昇していることが明らかになった。この有機物の存在が、根圏における微生物動態に影響を及ぼすことが示唆された。
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