研究課題/領域番号 |
15710071
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
苅谷 義治 独立行政法人物質・材料研究機構, エコマテリアル研究センター, 主任研究員 (60354130)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 同素変態 / はんだ接合 / 鉛フリーはんだ / 分離 |
研究概要 |
スズの同素変態を利用したはんだ接合部の分離・解体技術を開発することを目的とし、純Snおよび鉛フリーはんだ合金と銅との接合体を用いて、核生成および成長に関する温度因子について検討し、以下の結果が得られた。 (1)Sn単体においては、変態のピーク温度は、-40℃付近にあることが確認された。また、いずれの温度においても、焼鈍材に比較し、圧延材の変態速度は明らかに速く、残留応力が変態を加速することを示唆する結果が得られた。 (2)変態のピーク温度は、合金元素を添加することにより-40℃から-20℃付近へシフトする。しかし,変態を抑制する元素の存在があきらかになり、Bi, SbおよびPbを添加した場合は、事実上変態は起こらない。 (3)変態を抑制する元素を考慮して、分離に適する合金を選定したところ、Sn-Cu合金が、現状の実装工程を変えることなく使用できる最有力合金候補であることがわかった。 (4)Sn/Cu接合体においても同素変態が起こることが確認された。変態に伴いSn層が体積膨張し、この膨張により発生する接合界面のせん断応力によりSn/Cu界面で破壊することが観察された。従って、Sn層が完全に破壊することがなくても、変態が起きれば接合部は分離可能であることが示された。 (5)変態を促進させるためには、核生成速度を加速する必要があるが、これには、あらかじめ変態したSn粉を接触させることが最も効果的であることがわかった。これは、バルク体および接合体でも同様の効果が得られる。この加速法と応力を組み合わせることにより比較的短期間に変態を起こすことが可能となる。 (6)分離後のはんだ層は、再溶解することにより使用可能であることがわかり、リサイクルの新たな方法として期待できることが明らかとなった。
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