研究課題/領域番号 |
15710092
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
波多 聡 (波多 聰) 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (60264107)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | TiAl金属間化合物 / 組成傾斜法 / 透過電子顕微鏡法 / 集束イオンビーム法 / マイクロサンプリング法 / 長周期規則相 / 傾斜機能材料 / 相変態 / TiAl合金 / 長周期規則構造 / 透過電子顕微鏡 / 組織制御 / ナノ構造解析 |
研究概要 |
次世代の環境低負荷型構造材料として注目されているL1_0型TiAl金属間化合物をベースとした,TiAl組成傾斜単結晶の作製技術を確立した。この組成傾斜TiAl単結晶作製技術とは、TiAl単結晶を溶融Al中に浸してAl濃度勾配を形成させるという単純なもので、再現性が高く、実際の材料プロセスに直ちに応用可能な技術として特筆される。 作製した組成傾斜TiAl単結晶のナノレベルの微細組織を、透過電子顕微鏡法(TEM)と集束イオンビーム(FIB)マイクロサンプリング法を組み合わせた方法により評価した。その結果、TiAl結晶中に形成された長周期規則相の結晶構造(短範囲規則構造またはAl_5Ti_3/h-Al_2Ti/1次元逆位相ドメイン構造/Al_3Ti)と微細組織(マイクロドメイン、ツイード組織、ラメラ組織など)が、Al濃度増加と共に連続的に変化していることがわかった。これらの長周期規則相はTiAlの力学特性を決定付ける主要な因子であることから、今回作製した組成傾斜TiAl単結晶は、単に特異な相変態現象を示すという学問的新奇性だけではなく、新規傾斜機能材料としての可能性も兼ね備えた材料と位置づけられる。 組成傾斜TiAl単結晶中に形成される上述の長周期規則相は、いずれもTiAl母相と同様の積層構造すなわち、Ti-Al(002)面/Al(002)面/Ti-Al(002)面/...を有し、その積層構造と結晶方位関係を保ったままで互いの相に遷移していることがわかった。すなわち、これらの長周期規則相の形成および相転移のプロセスは、Ti-Al(002)面内でのTiとAl原子の規則配列変化のプロセスとして統一的に説明できることが明らかとなった。これにより、長年論争が続いてきたAl-rich組成側のTi-Al状態図や規則化メカニズムに関する理解が進み、TiAl金属間化合物をベースとしたナノレベルの組織制御(ナノ組織デザイン)の指針を示すことができた。
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