研究課題/領域番号 |
15710123
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会システム工学・安全システム
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
降籏 徹馬 東京理科大学, 経営学部, 助手 (80287466)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 小売集積地形成 / シミュレーション / 階層的目的地選択モデル / 地理情報システム(GIS) / 商圏 / 小売集積形成 / 時空間変動解析 / データマイニング / POSデータ / 滞留時間 / 購買パターン |
研究概要 |
本年度は研究計画に基づき研究を進めた。本年度中に採択された代表論文の概要は以下の通りである。 論文「階層的目的地選択と小売集積:シミュレーション」では、現実の小売集積形成のメカニズムの解明に接近するため、従来からの小売集積形成のシミュレーション方法を再検討し、階層的目的地選択モデルに基づくシミュレーションの方法を提示した上で、埼玉県を分析対象地域として設定し、実際の人口分布を用いてシミュレーションを行い検討した。その結果、消費者空間行動モデルによる記述と現実の人口分布を用いるだけでも相当な類似度で現実の小売集積量を再現できることを確認できた。得られた知見の中で、特に興味深い点の一つは、現実の小売集積は仮想都市空間上のシミュレーションにおいて形成された王冠型小売集積の形態に近い可能性を示したことである。現実の小売集積の分布形態は王冠型ではなく、極度に集中する小売集積と人口に応じて均一に拡散して集積する形態の中間を示していると考えられる。もう一つの興味深い点は、実際の消費者空間行動の距離パラメータ値を小売集積形成のシミュレーションにより推定できる可能性を示したことである。これはシミュレーション結果において得られた各地区の店舗数と実際の店舗数との誤差を評価した場合、実際の距離パラメータ値付近で誤差が最小になっていることから明らかである。もちろん、小売集積形成のシミュレーションは多大なコンピュータ処理を要するという実践性に欠ける面も含んでいる。しかし、他の地域においても同様の性質を確認できれば、消費者動向調査等のデータが存在しない場合の代替方法の一つとして活用していくことができると考えられる。
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