研究課題/領域番号 |
15720002
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
高橋 克也 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (50251377)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ブラウワー / 直観主義 / 認識論 / 独我論 / 心理主義 / 間主観性 / ベッカー / ブランシュヴィック / 数学基礎論 / 科学哲学 / カント主義 / 論理実証主義 / 理性 |
研究概要 |
平成16年度には、ブラウワーの一次文献の翻訳・消化に努めるとともに、直感主義の認識論的側面について哲学的な評価を行うことを中心に研究を進めた。 従来、ブラウワーの数学的認識論は、独我論的であり、また心理主義、主観主義に陥っていると批判されてきた。そうした批判は、ブラウワーのテキストに即して見た場合、誇張されているきらいがある。また、言語論的転回以降試みられている直観主義の脱「心理主義」化の企ての中には、却って直感主義の重要な哲学的示唆を棄てることにつながるような仕事がある(ダメットの意味論的アプローチなど)。直観主義の核は行為(心の中の操作も含めて)の図式の組み合わせとして数学的対象の世界を見る点にあるのであり、そのように見たときに初めて、人間と数学の関係を全体的に捉えるような認識論的問いかけとしての意義を持ってくるのである。以上の点を明らかにした。 他方では、数学の根底にある人間の諸実践を認識論の対象とする場合、内面の働きへの着目だけでは十分でないことも確かである。本研究は、オスカー・ベッカーやブランシュヴィックの仕事をヒントとしながら、空間内での人間の身体の移動や、社会の中での交換といった現案的な諸活動と数学的対象を関連づけることを試み、そうしたテーマが成り立ちうることの確信を得た。とりわけ、人間存在の間主観性を基盤とし、またそれを促進するものとして数学の諸体系を見てゆくことが重要であり、可能であることを見出した。
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