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視覚装置論-パノラマ、ステレオ、幻灯と写真についての比較研究-

研究課題

研究課題/領域番号 15720022
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 美学・美術史
研究機関神戸大学

研究代表者

前川 修  神戸大学, 文学部, 助教授 (20300254)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード写真 / パノラマ / 蝋人形館 / 初期映画 / ステレオ / 幻灯 / 流通 / 所有 / トルボット / アルプス
研究概要

本年度は、まずパノラマと写真との関係について、その制作方法の観点から比較検討を行った。パノラマ画は従来の風景画というジャンルとは異なり、視点の選択や光景の切り取り方の点でむしろ写真に近しい視覚メディアであり、また時として写真機もその下絵製作には利用された。さらにいえば、メスタグのパノラマにみられるように、風景を円形のガラス板上になぞったものをカンバスに投影して下絵作成を効率化する工夫もあった。ここにはパノラマと写真、そして幻灯や初期映画との結びつきも見いだすことができるだろう。
そして、従来の伝統的な工房とは異なった分業体制をパノラマ画制作が必要とした点も、写真とパノラマとの交差点となることが明らかになった。つまり、パノラマでは下絵の転写において生じるいくつかの歪みを回避するために、すべてを見渡す監督者とその指示のもとでカンバスにはりついて描くのみの画家たちという作業方法を必要とする。こうして生じた目と手の分裂という問題は当時の視覚装置にも当てはまる事柄だったのではないかと推測される。
また、パノラマの流通方法が制作者と作品との関係に新たな事態をもたらしていた点も特筆すべき観点である。それは資本主義社会における著作権問題の先駆的な現象形態とも言うことができる。
パノラマとは直接的な関係はないが、時代的並行性から各地に開館された蝋人形館についても調査を行った。浅い奥行きの中で出来事のタブローを構成するこの見世物は、ステレオ写真やパノラマ的な知覚、そして初期映画との関係を考えるための素材となることが分かった。
以上が本年度の成果である。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 写真の格子-写真集『自然の鉛筆を読む』2005

    • 著者名/発表者名
      前川 修
    • 雑誌名

      美術フォーラム21 12号

      ページ: 58-66

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] 写真集を読む-トルボット『自然の鉛筆』論-2005

    • 著者名/発表者名
      前川 修
    • 雑誌名

      美学芸術学論集(神戸大学芸術学研究窒) 1(未定)

    • NAID

      110006949501

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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