研究課題/領域番号 |
15720027
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美学・美術史
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
冨田 美香 立命館大学, 文学部, 助教授 (30330004)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 映画学 / 社会学 / フィルムコミッション / 地域文化 / 映画 / フィールド・ワーク / 小唄 / ロケーション / 地域研究 / アーカイヴ |
研究概要 |
本研究の目的は、京都洛西地域の撮影所で作られた映画が、現在各自治体で模索されている地域振興・地域文化発信を目的としたフィルム・コミッションの先駆的様相を呈していた点を明らかにすることにある。 具体的な調査対象は、戦前のマキノ映画と京都および山陰線沿線地域、戦後の大映京都撮影所映画と京都および周辺地域に絞っている。 2005年度は以下の作品について、制作者や現地情報を対象に集中的に聞き取り調査をし、映像情報も含めてデジタル化とデータベース化を行った。 1.フィルム・コミッションの先駆的作品といえる地方小唄映画の代表作「三朝小唄」(1929年、マキノ映画、人見吉之助監督)。 *ロケ地の高齢者から、映画のロケ場所・状況を聞き取り、すべてのシーンのロケ地を検証し、映像の中の情景と現況を比較した。また、現地でのフィルム利用状況についても調査を行った。その結果、75年以上経た現在も尚、映画と同様の景観を残す町の試みが明らかになり、フィルム・コミッションの利点である直接的・間接的経済効果のみならず、町のアイデンティティ形成に大きく関与したことが明らかになった。調査結果は、報告書、シンポジウム、デジタル・コンテンツで公表した。 2.戦後京都映画文化を代表する「新・平家物語」(1955年、大映京都、溝口健二監督) *本作は、京都を舞台に描いた歴史物語で、現地ロケを駆使したカラー作品。ロケ地とその撮影談に関する制作者への聞き取り調査を2004-2005年度かけて行った。その結果、本作は日本の伝統的な色彩の再現をフィルム・メーカーと共同でおこなった実験的な作品であり、ロケ地として物語の場である日吉大社、今宮神社などの祭礼や朱色の表現、忠盛灯篭などの実景を駆使し、歴史物語空間としての京都を表現した作品であることが判明した。調査結果は、研究会で公表し、インタビュー映像をデジタルコンテンツとしてまとめている。
|