研究概要 |
(1)京都大学附属図書館、京都大学総合博物館所蔵の御所伝授関連資料の書誌調査(継続) 上記に所蔵される御所伝授関連資料の調査と画像データの収集を行った(昨年度よりの継続)。上記資料は、一つの学芸の家に伝えられた典籍・文書類を纏まったかたちで伝来する点でも他に類を見ない充実度と言える。上記資料により、御所伝授に関わる諸文書・典籍類が江戸期に伝来されていった過程が知られる。本年度は、個々の資料の内容を明らかにし、その伝領過程とテキストの変遷を辿り、両者の資料性・その特質を浮かび上がらせる作業を行った。 (2)東山御文庫所蔵の御所伝授関連資料の内容細目の作成と重要資料のテキストデータ化 上記に所蔵される御所伝授関連資料の画像データを収集し、内容細目の作成を行った。一部の重要資料についてはテキスト化を進め、「上方文藝研究」1号(上方文藝研究の会 2004年5月)に報告を行った。こうした資料の発掘とテキスト化は今後も順次継続する予定である。 また、上記の成果に基づき、古今集成立1100年記念シンポジウム(2005年8月8日 於:古今伝授の里フィールドミュージアム)においてパネラー報告、11^<th> International Conference of the EAJS(European Association for Japanese Studies)(2005年8月31日 University of Vienna, Austria)において報告(UNNO, Keisuke "The Relation Between the Transmission of Poetic Knowledge and the General Intellectual Climate in the Context of Medieval Waka and the Tale of Genji"〔単独発表〕)、和歌文学会第51回大会(2005年10月30日 於:東洋大学)において報告(海野圭介「確立期の御所伝授の課題と和歌の家の再編」〔単独発表〕)を行った。
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