研究課題/領域番号 |
15720050
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 修一 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (40345244)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | カミュ / 『反抗的人間』 / テロリズム / 殺人 / 革命 / テロリスト / 反抗的人間 |
研究概要 |
最終年度である本年は、主として、以下のふたつの論文の作成を行った。 まず東京大学に提出した博士論文「死刑囚たちの「歴史」-『反抗的人間』のコンテクスト」である。この論文は、長年の研究をまとめたものであるが、カミュの歴史観を分析した後半部は、テロリズムを主題とする本研究の成果であると言える。カミュは『反抗的人間』に於いて、死刑囚となった革命家たちが、如何なる態度でみずからの死を受け入れたのか、その態度をフランス革命の革命家から20世紀のコミュニストたちに至るまで、俯瞰することで、彼独自の解釈を示した。従来見過ごされてきたこの点を明らかにしたのが本論文である。この論文をめぐって、田村毅、中地義和、塚本昌則、平石貴樹(以上、東京大学)、稲田晴年(静岡県立大学)の五氏を審査員として、10月22日公開審査が行われ、博士(文学)を授与された。審査員の先生方から頂いたコメントを考慮に入れて、加筆訂正を施した後、この博士論文を出版することを考えている。 次に、『仏語仏文学研究』第32号に発表した、「未来と殺人-コミュニストたちの裁判と『反抗的人間』」である。1930年代末、ソ連邦に於いて高名な革命家ブハーリンの裁判が行われた。第二次大戦後、モーリス・メルロ=ポンティが『ヒューマニズムとテロル』(1947)を発表し、この裁判を正当化し、コミュニズム陣営を擁護した。この論文は、『反抗的人間』に於いてブハーリン裁判に言及されている箇所に注目し、最終的な仮想敵が『ヒューマニズムとテロル』であることを示した。なお東京大学フランス文学研究室が位置する文学部3号館の大規模な工事のため、研究室が一時的に使用できなくなり、『仏語仏文学研究』第32号の刊行が遅れたことを附記する。
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