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20世紀英語圏文学および諸芸術における抒情表象の変容とその日本への影響

研究課題

研究課題/領域番号 15720051
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 ヨーロッパ語系文学
研究機関東京大学

研究代表者

阿部 公彦  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助教授 (30242077)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
研究課題ステータス 完了 (2005年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード抒情 / 英文学 / 詩 / スローモーション / 哀歌 / ナラティヴ / 速度 / 日本文学 / 英語 / 即興 / 芸術 / メランコリー / スポーツ / 舞台芸術
研究概要

本年度の研究においては「ナラティヴにおける速度」という問題に焦点をあて、とくに舞台芸術や言語作品で盛んに使用されるスローモーションの技法に関する詳細な分析を行った。スローモーションは単なる皮相な意味での「効果」のための技法ではなく、その背後にさまざまな文化的コノテーションを隠し持った非常に興味深い表象の方法であり、今年度の研究ではとくに英詩におけるスローモーションに的を絞って集中的に研究を行った。その成果は雑誌「英語青年」10月号から6回にわたって連載された「英詩のスローモーション」という一連の論考で公にされている。本連載では初回の「Ezra Poundのゆっくりな植物」にはじまり、ミルトン、ワーズワス、スティーヴンズ、シェイクスピア、ダンといった詩人の作品をとりあげ、英詩において「ゆっくりになる」ことが作品成立においてどのような意味を持っているかを吟味した。論点としては(1)「ゆっくり」とは心の優位を示す身振りである、(2)「ゆっくり」が抒情詩において重要なのは、抒情詩がその起源において死者の追悼という要素を強く持っているからである、(3)「ゆっくり」は「少ない形式」による豊饒の表現という詩ならではの逆説的な縛りと深く関係し、近代特有の富の概念の表現となっている、といったことがあげられる。こうした考察を通し、そもそも抒情表現とは、人間の文化的営為においていったいどのような意味を持つものなのか、という問題へのアプローチの大きな手がかりが得られたと考えられる。

報告書

(3件)
  • 2005 実績報告書
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2006 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (7件) 図書 (2件) 文献書誌 (4件)

  • [雑誌論文] 「Wordsworthをゆっくりで読む」を読む2006

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 雑誌名

      英語青年 1月号

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] いかに木を語るか(アメリカで)2006

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 雑誌名

      英語青年 2月号

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] うっかりソネットを読んでみる2006

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 雑誌名

      英語青年 3月号

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] Ezra Poundのゆっくりな植物2005

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 雑誌名

      英語青年 10月号

      ページ: 402-404

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] Miltonの'Lycidas'はどうゆっくりなのか2005

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 雑誌名

      英語青年 11月号

      ページ: 479-481

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] Wordsworthをゆっくりで読む2005

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 雑誌名

      英語青年 12月号

      ページ: 543-545

    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [雑誌論文] Placing a Tree in ‘Anecdote of the Jar'2004

    • 著者名/発表者名
      Masahiko ABE
    • 雑誌名

      The Wallace Stevens Journal 28.2

      ページ: 322-328

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] 20世紀英語文学辞典2005

    • 著者名/発表者名
      海老根宏, 上田和夫, 渡辺利雄(編)
    • 総ページ数
      1515
    • 出版者
      研究社
    • 関連する報告書
      2005 実績報告書
  • [図書] 即興文学のつくり方2004

    • 著者名/発表者名
      阿部公彦
    • 総ページ数
      246
    • 出版者
      松柏社
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 阿部公彦: "ひとりになりたいエリオット"T.S. Eliot Review. 14. 42-58 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 阿部公彦: "車谷長吉氏の『悪』"早稲田文学. 5月号. 78-89 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 阿部公彦: "古井由吉氏ご本人の声"英語青年. 五月号. 92-93 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 阿部公彦: "即興文学のつくり方"松柏社(印刷中). 240 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2016-04-21  

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